「Tune the Harp」 - ジョシュアパウエルによる新しいシングル
インディアナポリスを拠点とするサイケデリック・メタルバンド、Joshua Powellは、地元でも屈指の活動量を誇るトリオです。リードボーカル兼ギターを務めるJoshua Powellを中心に、ベースのJosh Townsend、ドラムのJacob Powellという3人で構成されています。長年の経験を重ねる中で、彼らのサウンドはリリースを重ねるごとに進化を遂げてきました。現在は新作フルアルバムの制作に取り組んでおり、その第2弾シングルとして「Tune The Harp」が公開されました。この楽曲には特別な背景があり、Joshuaにその詳細を聞きました。
Powellは常に、自身の楽曲に深い思索と個人的な体験を注ぎ込みますが、今回の作品も例外ではありません。彼は次のように語っています。「『Tune The Harp』は、Mike Cosper氏が手掛けたポッドキャスト『The Rise and Fall of Mars Hill』を聴いたことがきっかけで書きました。若い頃、私はMark Driscollのような有害な宗教指導者の影響を受けており、その宗教的世界から抜け出す過程は、『Deus Ex』で自分が悪側のために働いていたと知る瞬間のように混乱したものでした。この曲は、権威や影響力を利用して信徒を傷つける者たちへの告発の歌なんです。」
こうしたテーマに見合うサウンドを追求する中で、彼らは過去の影響をうまく融合させ、懐かしさと新しさを併せ持つ作品に仕上げました。「この曲は、EmeryやTaking Back Sundayのようなツインボーカル構成のバンドから大きな影響を受けています。メジャーとマイナーの間を行き来する曖昧なハーモニーは、Deftonesのセルフタイトルアルバムからの着想で、特に『Minerva』のように、メジャー中心でもヘヴィで深いトーンを持つ作品にインスパイアされています」とPowellは説明します。「僕ら3人とも、10代以来ヘヴィミュージックのプロジェクトには関わっていませんでした。だからこそ、久々に攻撃的な音楽を掘り起こすのは、とても刺激的で自由な感覚でした。」
制作面でも実験的なアプローチが取られました。
「Kokomo(インディアナ州)のWhisper Studiosを運営するJeremy Mangから、“Recording Studio Loser”という人気チャンネルの企画で、AEA製リボンマイクだけを使って1曲を録音するという提案を受けました。リボンマイクは一般的に“ダイナミックマイクの異端児”と見なされることが多いのですが、僕らにとっても初めてのメタル楽曲録音だったので、挑戦的で面白い試みでした。」
セッション中、Powellは「Blindside、Underoath、Deftones、Museといったバンドを参考に、すべてのテイクをトーンの実験として捉えました。ベースキャビネットには6本のマイクを立て、ボーカルはスネアマイクで録りました。結果はカラフルで唯一無二でした」と振り返ります。バンド全員がスタジオ経験豊富なこともあり、こうした挑戦は大いに歓迎されたようです。ちなみに、MangとTownsendがホストを務めるポッドキャスト「Phantom Power Hour」では、エンジニアリングに関する話題や、Volaとの関わりについても語られています。
さらに、彼らはこの楽曲に合わせたミュージックビデオの撮影も完了しています。映像作品にも定評のある彼らだけに、公開が待ち遠しいところです。ビデオでは、Joshua PowellがVasti V3 MCを、Josh TownsendがZVA 4P MFベースを使用しています。現在制作中のフルアルバムは、Romanus Recordsよりリリース予定とのこと。「Tune The Harp」は、その新作への期待を高める一曲として、バンドの新たな方向性を示しています。