Tone Talk and Test Drives: 2025 ダラス・インターナショナル・ギターフェスティバル
モダンとヴィンテージが交差する場所
毎年春になると、何千人ものギターファンがダラスに集結します。世界の音楽シーンにおいて恒例行事となった ダラス・インターナショナル・ギターフェスティバル。今年は5月2日から4日にかけて Dallas Market Hall で開催されました。1978年に地元のコレクターやビルダーの小さな集まりとして始まったこのイベントは、今や世界で最も注目され、参加者の多いギターイベントのひとつへと成長しました。ギターや機材、そしてそれを愛する人々を祝う大規模な祭典であり、単なる展示会ではなく、プレイヤーやファンが三日間にわたり「6本の弦と良いサウンド」に浸るコミュニティの場です。
Vola Guitars にとってもこの週末は、馴染み深い土地への嬉しい帰還となりました。ブースには旧知の仲間から新しい来場者まで絶えず人が訪れ、チームとの交流や最新モデルの試奏を楽しみました。特に人気を集めたのは、JZ FRO の Sunburst Gloss、Shell Pink Gloss、Copper Aged Gloss の各フィニッシュ、そして OZ 7 QGM J3(Quentin Godet シグネチャー7弦)、さらに ZVA 4P と5弦ベースでした。意外なことに、多くのベーシストが Vasti 5 STM や ZVA ベースを試奏するために訪れたのも印象的でした。若いプレイヤーたちは特に積極的で、日本製ならではのビルドクオリティや細部へのこだわり、独自のフィニッシュについて質問を寄せ、その価格帯にも驚いていました。週末のハイライトのひとつは、Bad Cat Amplifiers とコラボした動画撮影で、JZ FRO の実力を映像で記録できました。
Volaブースの外でも、著名なアーティストから新進気鋭の才能まで揃った豪華なパフォーマンスが展開。Andy Timmons、Joanna Connor、Greg Koch、Sonny Landreth、Mark Lettieri などが週末を通してステージに立ち、それぞれのスタイルで観客を魅了。さらに「10 Under 20」コンペティションでは若手プレイヤーにスポットライトが当たり、ワークショップやクリニックではテクニックからトーンメイクまで幅広い知識が共有されました。ブルース、ジャズ、シュレッドなど、どのジャンルを求めてもインスピレーションが得られるイベントであり、新しい発見を持ち帰る機会にあふれていました。そのクリエイティブなエネルギーに包まれる中で、Vola の存在は次世代のギターミュージックを形作るプレイヤーたちの中に自然に溶け込んでいました。
会場にはヴィンテージギターが数多く並ぶ一方で、Vola の展示はクラシックに敬意を払いながらも、モダンなアプローチを示す新鮮な存在感を放っていました。初めてギターに触れる人から新しい刺激を求める熟練プレイヤーまで、ブースのエネルギーは本物で、心を動かされるものでした。
長い歴史と着実な成長、そして広く認められた地位により、ダラス・インターナショナル・ギターフェスティバルは同種イベントの最高峰として揺るぎない存在となっています。そして私たちにとっても、「なぜこの仕事を続けるのか」を改めて思い出させてくれる場となりました。それは、人と人をつなぎ、会話を生み、すべての人を招き入れる楽器をつくるためです。